2017年6月30日に財務省が公表した「『行政コスト』削減のための基本計画(国税)」における法人の法人税・消費税の電子申告の義務化計画について、マイナンバーエバンジェリストの中尾健一氏が、計画推進にあたっての課題を提言しています。

まず、「国税基本計画」が公表される直前に、内閣府・政府税制調査会にて海外の税制についての調査報告が公表されましたが、電子申告を義務化したことで電子申告割合が90%以上となっている国もあれば、一部義務化または義務化せずに電子申告割合が90%を超えている国もあることから、電子申告化の推進は、義務化によるものはなく、電子申告に際しての利便性を高めることが重要と言えそうです。

日本の「国税基本計画」では、コスト削減における目標として現状、法人税・消費税の電子申告義務化を掲げていますが、法人税はほぼ毎年改正があり、税制改正が成立するのが3月末、申告書類の変更点が紙ベースで公表されるのが4月下旬、これに即した電子申告の仕様が公開されるのが5月下旬とタイトなスケジュールで進むため、4月決算法人は十分な準備が出来ず、限られた申告書類しか電子申告できないといった実情があります。

例えば、これを「平成○○年4 月1日以降開始事業年度」とすると、翌年の3月決算法人から対応すればよいいため、各企業に無理を課せることなく、100%電子申告できる状況をつくれるのではないか、と中尾氏は提言しています。

法人税・消費税の電子申告化における、申告機能の利便性改善といったハード部分についてはいくつもの改善策が掲げられていますが、企業の対応スケジュールなどといったソフトの部分についての配慮も合わせて改善されていくことが望まれます。

「国税基本計画」では、「コスト削減の取組内容及びスケジュール」の課題として法人税・消費税の電子申告義務化が掲げられています。そこでは、大法人と中小法人に分けて目標設定がされています。
大法人
・電子申告の義務化が実現されることを前提に、法人税・消費税の電子申告(e-Tax)の利用率100%
中小法人
・法人税・消費税の電子申告(e-Tax)の利用率85%以上
・将来的に電子申告が義務化されることを前提に、電子申告(e-Tax)の利用率100%

中小企業にとってのマイナンバー制度とは? (68) 法人税等の電子申告義務化に向けた基本計画 | マイナビニュース